一泊

 父がリハビリ中の病院から一泊の予定で帰ってきました。
 その一時間ぐらい前にベッドも来ていて、ここ半月ぐらいいろいろ準備していた部屋は受け入れOK。台風が心配だったけど、幸い雨も止んでる時で無事に到着。
 あの日の朝出ていった姿とはがらりと変わってしまっていたけども、おかえりなさいと迎えました。
 緊張していたのかトイレに行った後、ベッドまで行って横になり、一安心。あんまり騒がないようにしました。
 夕方、お風呂。
 病院と違ってお風呂も小さいので、洗う母と二人で入るともう洗い場はいっぱい。湯船に入るのはちょっと危なっかしいのでシャワーだけとなりました。
 出て来て裸のまま椅子に座った父は、母にしきりに『お風呂に入ってきな』みたいに指を指し、母もハイハイんじゃちょっと入ってきますよと。
 今度は服を着る番。着るのは動かない右半身からで、脱ぐのは動く左半身からだそう。最後にパンツ代わりのおむつと一緒にズボンを履いて、そのまま食卓に向きを変えてテレビを見ながらご飯待ち状態へ。
 食事は、使った材料を全て分量までメモに書き留めてるみたいで、準備に少し時間が掛かりました。
 準備中は私が話相手をして、試しに「あいうえお」を発音する練習をしてみました。
 本人はバカらしいと最初は笑ってましたが、それでも"あ・い・う・え・お"を言ってみると、"え"が"あ"になってる感じ。でも連続して"あいうえお"というと"え"になるけども、"え"だけを言おうとすると"あ"になるのです。
 んじゃ次に"かきくけこ"を…もういいってテレビを指差して相撲を見るんだって。
 テレビを見ながら食べていると弟と妹が来たので、あとは二人に任せました。