おじさんの長い1日

 何かを売るにしても作るにしても、材料がなければ始まりません。
 材料で高いものというと、純白の研磨剤とその材料、ラフボンやピュリ石が思い浮かびます。
 それらを集めるとしたら…スポが出来たほうがいいですよね。そこで、本とにらめっこしながら狩れそうなとこを探しました。
 最近の本では書いてないんですが、古い情報ではスースからピュリなどが出たんですね。
 少し行って見ましょうか。


 パイラカ以降再びのんびり倉庫番をしていたドワおじさん、重い腰を上げて、私塾へ出かけました。
 ウィンドスースがあちこちで草を食んでます。
 ここは一つアルティザンらしいところを見せようと(誰に?)メカニックゴーレムを呼び出してスースに挑みます。
 白ネのスースはさすがにおじさんのスポではなかなか光りません。
 それでも、誰言ったか亀の甲より年の劫、のんびりやるのもまた一興、何度もやって、光るのを待ちます。
 ぴかり。
 すかさずスイープでがさごそすると、出てきたのは研磨剤。
『やはりピュリ石はもう出ないようだの…』
 万一の期待も薄れ、どうしたものかと考えつつも、ガタゴト後ろを付いてくるゴーレムに逆に押されるようにして、久しぶりの狩りに没頭していくのでした。


 ぴかり。
 何度かスースを光らせていたおじさんですが、今度はおじさん自身が光に包まれました。
 レベル38へアップ。
 すると突然声が聞こえてきましたよ。

[警備隊長 ゴスタのメッセージ]

レベル38おめでとう。

私は水上都市ハイネスの警備隊長ゴスタだ。

君の活躍については聞いている。かなり腕の立つ冒険者らしいな。そんな君なら、カマロカや突然変異の怪物カヌスのことを知ってもいいだろうと思って、このメッセージを送る。君が情熱と勇気にあふれる者なら、すぐに私のところに来てくれ。待ってるぞ。

 警備隊長直々のDMですか。最近はいろいろ忙しいですね。
 でもおじさんの気持ちはもっと他に向いていたのでした。
『そろそろ、転職も考えねばいかんかの…』
 まだ少し冒険家エンチャの時間が残っていたのでその分狩りをした後、ギランに帰還しました。

貨物倉庫番パマン:
お前、もうそろそろ上級組合員になる準備をしなければならないんじゃないか?バウンティーハンターやウォースミスのような上位職種に進級したくないのか?


どうだ?少しは関心が出たかな?よく聞いておけ。上級組合員になろうとすれば繁栄の試験を通過しなければならん。組合員の試練とは比較にならない難しい試験だよ。お前くらいなら、挑戦してみる価値はあると思うのだが...

 ギランの倉庫に向かったおじさん、見透かされたように声を掛けられてびっくりです。
 おもわず
『挑戦します』
と言ってしまい、
『お前もよく知っているようにすべてのドワーフたちが…』
 パマンの話はすぐ始まってしまったのでした。